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プーランク と私

おはようございます

声楽家福田美樹子です

全身全霊で声の振動を伝える

マイクを使わず

ホールを生の声で一体感で埋めつくす

声楽と言う歌のジャンル

その世界とは?

 

 

今年最後の11月11日のリサイタル

ピアニストのジャンミッシェルと

フランス音楽をメインにプログラムを構成した

一番の聴きどころは

プーランク 作曲の

偽りの婚約 6曲全曲チクルス

わたしのアルバム 「あなたなんか愛していない」

にも収録されているわたしの最も愛する曲

 

 

 

 

重々しく、時に倦怠感も感じる不協和音と

コラールのような美しい純正和声の煌めきが絶え間なく交差し、レガートとポルタメントで多彩な線を描く

プーランク 自身が自分の歌でもっとも難曲と語る 「飛んでいるのだ」

を含む6曲組だ

 

わたしは

まず、頭の中で不協和音を鳴らす

そして言葉に思いをこめて歌い出す

 

この詩集は

美しい恋多き女という評判だった(詩人としての評判よりも)

女性詩人ヴィルモランの作品

第二次世界大戦中にこの詩集をプーランク に送り

作曲を依頼した

ほとんどが疑問で終わる謎を秘めた巧妙に描かれた詩が

プーランク の音楽が詩への深い体感と驚きをわたしたちに魅せる

胸に響かせた私の声とピアノの不協和音が

痛みを伴って周りをゆらす

 

ソプラノヴォイスのために作曲された曲なのに

ソプラノ歌手の声帯では胸に響かせないと普通には歌えない音域が続く

 

 

ソプラノ歌手が胸を響かせ

深く掠れた声で歌うからこそ、

そこ知れぬ悲しみと絶望、深い陶酔と官能の世界が広がる

プーランク はこんな風に

ソプラノの高い声の声帯を

うめくように

使わせる音域を多様する

その意図を汲み取って

わたしはこの作曲家と深く繋がる

 

深く物語の真髄まで降りていく

 

今年最後のリサイタルです。

11月11日14時半開演

福田美樹子&ジャンミッシェルキム デュオリサイタル

 

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