2024年12月15日
おはようございます
日曜日の朝、爽やかな陽の光を浴びながら、このブログを書き始めました。
少しだけ朝露が残る芝生の上を裸足で歩きながら、少しずつ、心に浮かぶことをメモしています。
昨夜は、器楽曲と異なり、言葉=詩と共にある「歌」という音楽について、友人と語り合いました。
例えば、武満徹さんが作詩・作曲した《翼》という声楽曲は、現代的な器楽作品と比べても、メロディラインはとてもわかりやすく、すぐに覚えてしまうほどシンプルなものです。
その、シンプルでありながら、限りなく美しい旋律に詩を乗せて「風よ、雲よ……」と歌い出だした瞬間から、ホール全体に風が吹き渡り、光が差し込み、音楽に乗せて、勇気や希望、夢がパワフルに広がっていくのを感じます。そして、それらが、私の歌声を通して、お客さまの心に届いていることを実感できるのです。言葉と音楽に秘められた力がひとつになる瞬間、私たちは心に固有の風景を描きます。
《翼》を歌うとき、わたしはいつも、ボルドー近郊に住んでいた友人ネリの庭園を思い出します。
静かな庭の中、微風に乗って、ひっそりと聴こえてくる虫の声。
給仕をしてくれたネリのお母さんの赤いスカートが風になびく音。
(ネリ元気かな、あのとき庭のテーブルで食べたうさぎの肉は衝撃的でした!)
《翼》という曲、6/3.10の徳永真一郎さんとのデュオリサイタルではきっとアンコールで歌います。