おはようございます
声楽家 福田美樹子です
fukuda mikiko
フランスのコロラトゥーラソプラノ 名歌手
マディ・メスプレMady Mespléに
フランスにて4年以上コンセルヴァトワールにて弟子にしていただき、そして帰国後も何度もコンサートの度にフランスに渡りレッスンしていただいていました。
スペインから
ボルドーでフランス滞在を
スタートしていたわたしは
マディ・メスプレ先生が引退直後に
パリとボルドーの音楽院で教え始めた時に出会います。
当初スペイン音楽院からフランスに渡った時には
すでにわたしは高音が輝く
コロラトゥーラソプラノ になっていたので、
先生との出会いは偶然のようですが、
わたしの人生の中の最も重要な必然だったように思います。
フランスの歌手は引退後に歌を教えます
先生は現役の恐ろしく尖った声楽家の姿勢のまま、引退して教え始めた時だったので、それはそれは怖く、厳しいレッスンでした。
明日その歌の本番があるかの如く、一瞬も見逃さず、何度も止めて的確なアドバイスをして、その場でできないと、おまえは何しにフランスにきてるんだといいます
次のレッスンで全て完成できなくてはと、
毎週、4曲くらいの新しいレパートリーと格闘しました。
先生がおっしゃる全てのメソッドをノートに書き写し、録音し、反復練習を繰り返しました。
今月6月26日のディナーコンサートで
先生のオハコである
ドリーブ歌劇「ラクメ」から
鐘のアリアと、二重唱と、終幕のアリアを
取り上げることになり、
リハーサルを重ねている中
そんな先生とのレッスンを身体がしっかり覚えていることを実感します。
すぐそこに先生の顔と声を感じながら
稽古しています
この高音の口の開けかたをこうして!
祈りの声の色彩をだして
低音から高音への飛躍の場合の筋肉は!
インナーマッスルで弾かせて!
コロラトゥーラパッセージの喉の後ろ側の筋肉!
大きな構成の中でのテクニックの通過点となる場所
息の回し方と芸術性の色彩
ピアニッシモの体の使い方
どう芸術として見せていくか、、
など、、宝石のように次から次に
自分の楽器としての身体が積み重なったたくさんの発声テクニックを飛び越え
語りかけてきます。
まるで、となりに先生がいるようです。
何度も演奏し、わたしのアルバム「歌う思い出」にも入っている曲ですが、
取り上げる度に新たな音楽を魅せてくれる
わたしの身体と精神と芸術性の軌跡をみせてくれる
このオペラは
わたしにとって原点だと思います
この凄まじさまで感じる
故マディ・メスプレの音楽性とこの確固たる発声法を
若い歌手たちに伝えていかなくてはいけないと
強く感じました。
惜しみなくお教えなくてはと強く思いました
必要な方に届けていきます。
今日も素晴らしい一日になりますように